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Channel: 働く風来坊。
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チベットの人々が暮らすマクロガンジ

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数年前にダライラマ法王の自伝と出逢い、ダライラマ法王とチベットについて知った。


それ以降、私の頭の本棚に”チベット”コーナーができた。



今のチベットではなく、インドにある”チベット”に行きたい!


コルカタでもずっとここに来ることをわくわくしていた。






マクロガンジ。

ダライラマ法王 公邸とチベット亡命政府がある場所。


コルカタから寝台列車に29時間乗って、バスで13時間。


ずっと来たかった場所、インドで一番行きたかった場所。



”行きたい場所にやっと到着する”って、言葉では表せないくらいドキドキする。


自分の人生を変える景色、出来ごとって、世界のどこかに存在して、ここは私にとってそんな場所だと感じていたから。






チベット寺院とダライラマ法王公邸へ向かう前に、チベット美術館に立ち寄る。


ここではチベットの歴史にかかわる資料などが展示されている。


小さな美術館ではドキュメンタリーの放映も行っていた。




アジア!  




チベットの人々は中国政府の支配によってずっと悲しい想いをしている。


チベット人への弾圧、独立阻止。


虐殺された人々の人数は120万人とも言われている。



美術館にも血のついたシャツなどが展示されてあったり、街中には暴行を受けたチベット僧侶の写真や、中国政府への抗議のため焼身自殺を行った僧侶の写真が貼られていた。


その姿はあまりにも痛々しく、生々しく、この時代に、この世界で起きてることとは思えなかった。


でも、これが現実。


チベット問題 は過去に起き、終わった問題ではなく、今、現在も解決されていない問題。




自分がずっと住んでいた家を追い出されて、途方にくれてる人がいる。


自分の信じる宗教を禁じられ、祈ることすらできない人がいる。


自分の言葉を使うことをやめさせられ、違う国の言葉を話すことを強要される。

自分の家族や友人、大切な人がいなくなる。


ここには書ききれない、悲しみの数々。




美術館に居る間、胸がずっと痛かった。


見たくなかった。


同じ人間として、同じ時代に生きているのに、こんなにも違う。




世界には自分のことを、大好きな人のことを大切にしたくても、できない人がいる。





悲しくて、目を開けてるのも、音を聞くのも嫌になった。



だけど、ちゃんと受け止めなくては。


私は権力者でもなく、お医者さんでもなく、チベットの人々にとって特別な力がある人間でもない。



だけど、だからこそ、生きてる限り、世界で起きてることを知って、ちゃんと向き合える人間でいたいと思った。



アジア!  





チベット美術館のあとはチベット寺院へ。



場所にもよるけれど、インドの街を歩くのは大変。


例えば、コルカタの街を2時間歩いたとしたら、汚い空気と人ごみと…もうハチャメチャになる。


だけど、マクロガンジを歩くのは、好きだった。


人もゆっくりしてて、大好きな空がすごく近くて、山に囲まれてて、安心する場所。


そして、神様を信じる人たちの優しいオーラがある場所。

アジア!  


チベット寺院の前の屋台。


ここではチベット餃子”MOMO”を売ってました。


MOMO大好き。


いつか、チベットが自由になったら、MOMOを食べにチベットに行きたいなぁ!


アジア!  


チベット寺院内。



寺院内には熱心にお祈りをする人々がたくさんいました。


仏教、ヒンドゥー教、イスラム教、スク教、キリスト教…どの宗教でも、神様を信じ、祈る姿はすごく美しいと思う。




チベット寺院を歩いていて、カラフルな美しい絵や彫刻を見て、破壊されてしまったチベット寺院の記事を思い出しました。


弾圧によってチベットの歴史的な建造物がたくさん破壊されてしまっていることは、祖国チベットを想う人々、チベット仏教を信仰する人々にとって言葉にできないほど辛いこと。


いつの日か、チベットを愛する全ての人が、チベットで自由にお祈りできますように。



アジア!  


消えてしまったパンチェン・ラマ11世。




アジア!  



世界中から集まった中国政府への抗議の声。

アジア!  

中国政府はチベットを苦しめている。

でも、だからといって全ての中国人がチベットへ対していじわるなわけではない。


すべての中国人がチベット弾圧に賛成しているわけではない。



中国人の友人がいて、一緒にダライラマ法王の話をしたことがあった。


彼はダライラマ法王の思想に強く共感していた。


”だけどね、中国に入る際、ダライラマ法王の本は持ち込めないんだよ”


そう残念そうに言った。


私が


”本すら持っていけないの!?”


そう言うと


”中国は規制が多いんだよ”


そう、友人が言った。





中国へは一度行ったことがある。


そのときは仕事だったこともあり、中国の観光政府の人もその場にいた。


”来てくれてありがとう!”


歓迎してくれた。


自分自身、何かに規制されることを感じたことはなかった。



だから、その事実を知ったとき、すごく驚いた。




自分が知らないことが世の中に溢れている。



チベット寺院でインド人観光客たちと話す機会があった。



”中国はひどい。中国人はひどい”


そう言っていた。


私は


”中国のすべての人が悪いわけじゃない”


そう言った。





実際に自分でダラムサラへ行っていて、色々な記事を目にすると


”中国側でダライラマ法王やチベットを支持する人もたくさん存在し、そのサポートに感謝する”


そういうものもあった。




例え、ひとつの国が残酷な行動をしたとしても、それは全ての国民の意志とは限らない。


だから、チベットに対することで、すべての中国人を批難するのは間違ってる。


国柄、文化などはあるけれど、国籍だけで、その人を評価するのは間違っていると私は思う。




ダラムサラ マクロガンジ バクスに滞在中、ずっとずっと考えた。


色々な想いが頭を巡った。


何度も涙がこぼれた。





もどかしい。





ここマクロガンジもそうだけれど、インドを旅してると自分の無力さをことごとく知る。


自分が何のために生きてきたのか考えさせられる。




人生にとって、何が大切なのか。


自分には何ができるのか。




インドはキレイゴトもすべて吹き飛ばして、人間の”底”が見える場所。


それは自分とも向き合わなくてはいけないという意味でもある。




ダラムサラ、ずっと来たかった場所。


私がここで実際に見て感じたことは、今後生きて行く中で忘れない。


また、絶対に訪れたい場所マクロガンジ。


次に来るときは、今よりもチベット問題が解決しているといいな。


チベットの人々にとって1日も早く安心して暮らせる日がやって来て欲しいと願って。





アジア!  


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