ダラムサラではバクスのゲストハウスに滞在した。
ゲストハウスは一拍1人100ルピー(約153円)と安いのに、ホットシャワーもついてて、部屋もきれい!
さらに、オーナーとスタッフのみんなはとても親切で、夏服しか持ってこなかった私(無茶苦茶)に毛布を5枚も貸してくれた。
(インドを旅してると、バックパックで予算が少なくても、良いゲストハウスに巡り会えるから嬉しい!タイより全然安いよーーーー!(清潔さには欠けますが・笑)
ゲストハウスのオーナーと、ゆっくりお茶をする機会があった。
一階のレストランで食事をしているとき、オーナーが乱入してきたのだけど(笑)
”なぜ、インドに来たの?”
オーナーに聞かれた。
”私にとってインドは一番行きたかった場所だったの”
そこから、色々な話をした。
宗教の話、インドの話、パキスタン、アフガニスタンの話。
”アフガニスタンはとても美しい国なのに、今はあんなになってしまって、怖いよ。ここはパキスタンからもアフガニスタンからそう遠くない”
そうオーナーが言っていた。
ここよりよりさらに北に行くと、パキスタンと中国の国境とぶつかる。
アフガニスタンも近い。
そこはとてもとてもキレイな場所だけれど、危険な場所ともされていて、観光で訪れる場合は注意をすること、と外務所のサイトでも伝えられている。
”君は女性だから、アフガニスタンを1人で旅することはできないよ。アフガニスタンを始め、イスラム国家では未婚の女性が旅をするなんて考えられないことなんだ。車の運転も禁じられている。女性であると出来ないことが多いんだ”
”イスラム国家だけじゃない。ジプシーたちも独特の文化が存在し、女性の差別問題が多くある”
隣で相棒がオーナーに言った。
ある本を思い出した。
また改めてブログで紹介しますが、私の人生に大きなものを与えてくれた本。
世界中で起きてる女性への人身売買、名誉殺人、虐待、強姦などの問題を取り扱った本。
私の生きてる同じ世界で、こんなことが起きてるの?
想像を絶するひどい話の数々。
何度も本を閉じたくなったけれど、これは”作り話”ではなく、実際に起きている話なんだ、受け止めなくては、と読みつづけた本。
同じ女性であるのに、生まれた場所が違うだけで、こんなにも違うなんて。
その本に出逢ってから、生きることへ対しての気持ちもすごく変化した。
”女性問題だけじゃない。テロの問題もすごくある。パキスタン国境付近は安全とは決して言えないんだ。この付近の人々もテロを恐れている”
オーナーが話す言葉の内容は、日本にいたころ、使ったことのない言葉がたくさん含まれていた。
テロの恐怖におびえて暮らしたことなんて日本にいるころ、なかった。
想像もしたことがなかった。
それは実際にこの世界で起きてることだけれど、私にはテレビの中の出来事にしか考えられなかった。
でも数年前、それが”テレビの中だけじゃない”という気持ちに変わった。
旅行で訪れていた場所でテロにあった。
昼間、食事した場所が、その日の夜に爆破された。
爆発があったとき、私は隣のホテルに滞在していた。
生まれて初めて空気の振動を感じた。
今でも覚えてる。
あの、変な、慣れない空気の感覚。
テロでは日本人を含む、多くの人が犠牲となった。
自分のいる場所で、そんなことが起きるなんて想像もしたことがなかった。
テロ後は滞在していたホテルから一歩も出れず、まわりの状況が分からない状態が続いた。
ホテルの中には銃を持ったセキュリティであふれかえっていた。
爆破された場所を帰国のときに車の中から見たけれど、建物がボロボロに爆破されていた。
テロが起きる前、私が食事した場所とは思えなかった。
私が夜にこのレストランに来ていたら、死んでいたかもしれない。
そのときの出来事は今で強く残っていて、あのとき、初めて”テロ”の怖さを知った。
テレビの中で起きていると思っていた出来ごとは、私にとって身近なものとなった。
このときのテロで、死を身近に感じたことで、自分の中でなにかが変化したのも確かなこと。
オーストラリアに居た頃は、テロの恐怖を感じることなどなかったけれど、またインドに来てから、テロを身近に感じることが多くなった。
テロ防止のために色々なチェックがあったり、例えば、ネットカフェでもテロ対策のためにスカイプが禁止されている場所があったり。
インドでは、今でもテロが起こり、死ぬ必要のない人が死んでいる。
インドには危険な地域も多くある。
”インドへ行きたい!”そう初めて両親に伝えたとき、無鉄砲な私を心配した両親は
”インドへの1人旅は絶対にだめだ!”と猛反対。
それでも、どうしても行きたかった私は、タイで合流したオーストラリアの友人たちをインド旅行に誘って、インド旅行を一緒に計画した。
そのうちの中の1人が今の相棒。
相棒の両親もインドへの1人旅を禁止しており、一緒に旅する仲間がいることで了承。
ということで、私は念願だったインドに来ることができた。
私自身も実際にインドを旅して2カ月。
女性1人だったら、行けなかっただろうなという場所も多い。
誰かがいなかったら、こんなに移動できなかっただろうなぁって思う。
一緒に旅行できる相棒がいることに感謝。
旅をし、人と出逢い話すことによって、教科書にものってない、ニュースでも聞くことのできないことを知ることができる。
私が旅した場所で、安全だとは言えない場所もあったと思う。
だけど、こうやって、旅を続けるのは、オーナーと話したときのように”人の声”を聞くことができるから。
人生を変える景色に出逢えるから。
生きてる限り、私はずっと旅を続けていきたい。
ダラムサラ写真館
チベット寺院内。
日本語のチベット新聞。
ダラムサラにある靴屋さん。
インドの靴は美しい。
旅していて、胸が一番ドキドキしたアイテム。
ラジャスターン出身の職人さんが作る靴は見てるだけでしあわせ。
バクスからダラムサラまでのローカルバス。
山道をパワフルに走るバスはガタガタと豪快に揺れるけれど、簡単に街に行けて嬉しい!
北インドに移動してからは、商店でシナモンやしょうがを買ってスパイス紅茶を部屋で作ってました。
商店で売られてるスパイスを見るのが好き。
マクロガンジにある大好きな日本料理屋さんへ向かう道。
ここで出逢った日本食屋さん”ルンタ”は本当に美味しくて、毎日通いました。
日本の家庭料理が手軽な値段で食べられて、さらにはレストランからは美しい山が見れて…最高に嬉しかったなぁ♪
インド料理も好きだけど、やっぱり日本食はいいねっ!
かき揚げ丼、お好み焼き、お味噌汁。
ダラムサラを去ったあと、インドのニュースをチェックしていると、ダライラマ法王暗殺計画をたて、ダラムサラに侵入した人間を逮捕したと報道されていました。
私がダラムサラを去ってすぐのこと。
法王は無事であり、何事もなかったと知り安心しましたが、とても悲しくなりました。
テロをすることは平和から遠ざかること。
ダライラマ法王が安心して生活できるように、チベットの人々が自由を感じられるように、世界で起きてるテロがなくなりますように、改めて強く願った出来ごとでした。